建築点検

建築点検の目的と必要性

ビルというのは一軒家と違い、管理運営が大変なものです。
点検をきちんと行なっていれば同じビルでも長い期間良好なコンディションを維持することができますし、反対に点検を怠ってしまうとビルの寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

建築点検は、建物の劣化等を早めに発見して大修理に至るのを防ぐことができます。
ビルの点検を行うには人手と金が必要ですが、長い目で見れば修理費の節約になります。

建築点検をこまめに行っておけば、外壁の落下などによって人命に関わる事故が発生することも防げます。
業務に大きな支障が出るのを防ぐことができますので、必ず定期的に行うようにしたいものです。

建築点検の内容

ビルの点検には大まかに分けて建築物の点検と建築設備の点検の2種類があり、部位によっては専門技術者に作業を任せなければならないところもあります。
また、特別な知識のない一般の人でも目視や指職によって大まかな点検を行うことは可能です。

点検する箇所は建物の外壁、サッシなどの建具、屋根または屋上、階段、廊下、各部屋(テナント)などといった部分です。
ビルの中でも点検を怠ると修繕費のコストが跳ね上がるのが外壁です。
エレベーターなどのように頻繁に点検を行う必要はありませんが、建造されてから年月が経つとタイルや塗装剤などといった仕上げ材が浮いてきたり、ひび割れを生じたりすることがあります。

また、目地部分にはシーリング材を使用して漏水を防止していることが多いです。
シーリング材が劣化するとその部分から水漏れする可能性がありますので、目視でしっかりとチェックします。

ビルの屋根・屋上に関しては排水溝を確認して、詰まっているゴミや土砂、木の葉などを掃除する必要があります。
排水溝が高所にあって転勤するのに危険が伴う場合には、専門業者に依頼されることをおすすめします。

屋根・屋上に手すりやフェンスが設置されている場合には腐食の有無や固定状況も確認します。
外壁や屋根部分に劣化部分を発見した際、落下などに伴う事故の恐れがあると判断したら直ちに「立入禁止」の応急措置を講じ、専門家に相談することをおすすめします。

法定点検も忘れずに

ビルの建築点検では、自主的に行うものの他に「法定点検」が法律によって義務付けられています。
民間の建築物でも、特定用途および一定規模以上の特殊建築物では決められた周期での調査を行い、関係官庁へ報告する義務があります。

法定点検の内容に関しては法律で定められていますが、専門知識を有した人が点検を実施しなければなりません。
例えば浄化槽の点検については浄化槽法に詳しく定められていますが、水質検査と保守点検及び清掃は毎年1回行うことが義務付けられています。