洗濯物は粉石けんで洗うと良く落ちる
洗濯用の洗剤には、リキッドタイプと粉石けんの2種類があります。
ひと頃前までは洗濯機に入れてもすぐに水に溶けるリキッドタイプが人気だったのですが、最近、粉石けんで洗濯をする方が増えてきました。
子どもの靴下などの頑固な汚れは、粉石けんを使うとよく落ちます。
ですから、汚れの度合いが激しい衣類を洗濯する機会の多い家庭では、粉石けんを常備しておくのがおすすめです。
ただし、ウールやシルクの洗濯には注意が必要です。
ウールやシルクなどといった天然素材は、アルカリ性に弱いという特徴があります。
ですから、ウールやシルクのようにデリケートな素材を洗うには粉石けんは適していません。
これらの素材には、必ず専用の洗剤を使うようにしたいものです。
助剤(アルカリ剤)が洗浄力を高めてくれる
同じ粉石けんでも、「無添加石けん」といって純石けんだけで作られているものと、炭酸塩が配合されているものの2タイプがあります。
炭酸塩というのは炭酸イオンを含んでいる化合物のことで、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなども炭酸塩に分類されます。
これと合わせて、石けん業界では古くから炭酸ナトリウムのことを「炭酸塩」と呼ぶ習慣があります。
ときどき、石けんの成分表示に「炭酸ソーダ」と表示されていることもありますが、これも炭酸ナトリウムと同じものです。
炭酸ナトリウムというのはもともとが天然由来の物質で、以前は草木や海藻を燃やしたときにできる灰から抽出されていました。
現在では海水と石灰石で炭酸ナトリウムが作られていますので、どちらにしても天然素材由来ということができます。
自然に還りやすい物質なので、環境汚染のことをあまり気にしないで使えるのが炭酸ナトリウムのメリットです。
炭酸塩(炭酸ナトリウム)が助剤として配合されている粉石けんは、炭酸塩がアルカリ性だという性質を利用して洗浄力をパワーアップさせています。
衣服に染み込んだ汚れというのはほとんど酸性のため、粉石けん成分だけで洗っていると水が酸性に傾き、洗浄力が失われてしまうことがあります。
ところが、アルカリ性の炭酸ナトリウムが配合されている粉石けんの場合、洗濯をしている途中に水が酸性に傾く心配がないため、最後まで洗浄力を保つことができます。
ミヨシ石鹸から発売されている洗濯用粉石けん「そよ風」の成分を具体的にチェックしてみると、純石けん分は全体の60%で、残りは炭酸塩です。
純石けん分100%の粉石けんで洗濯をしようとすると大量の粉石けんを使わなければならないのですが、炭酸塩が配合された粉石けんなら少量で済むのも炭酸塩が配合された粉石けんのメリットです。