喫煙室に求められる条件とは

喫煙室の基準と条件

以前はレストランや喫茶店、駅などといった公共の場で喫煙することを取り締まる法律はありませんでした。
しかし平成14年(2002年)に制定された「健康増進法」の改正により、平成29年には延床面積が30平方メートル以下の小規模なスナックやバーなどといった飲食店を除く全ての飲食店が禁煙となりました。

その後2020年4月に改正健康増進法が施行されるようになり、基準をクリアしている喫煙室を設置すれば喫煙室内では禁煙が認められるようになりました。
喫煙室を設置する際には、3つの技術的基準を満たしていなければなりません。

基準の1つは出入口で、室外から室内へ「0.2メートル/秒以上」の風速で空気が流入するようにしなければならないということ、2つめはタバコの煙が室外に漏れ出ないように壁や天井などを使って区画するということです。
そして3番目の基準は、タバコの煙を屋外に排気しなければならないということです。

ただし、店舗の物理的な構造から言って排気ダクトを設置しても屋外に排気するのが不可能なケースでは、喫煙室用脱臭装置を設置することが経過措置として認められています。
喫煙室用脱臭装置はTVOC(総揮発性有機化合物)の除去率が95%以上であること、そして浄化によって室外に排気される空気中の浮遊粉じんの量が0.015mg/m3以下に抑えられることが条件です。

喫煙室のタイプ

喫煙室は改正健康増進法によって「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」「喫煙可能室」「喫煙目的室」の4つのタイプに分けられています。
どのタイプの喫煙室でも、施設の出入り口と喫煙室の出入り口には標識を掲示することが義務付けられています。

まず喫煙専用室というのは、オフィスや飲食店などといった第二種施設に設置することが許可されているもので、喫煙専用室内ではタバコを吸うことだけが許可されています。
ですから喫煙専用室内で会議が飲食をすることはできません。

加熱式たばこ専用喫煙室も第二種施設に設置できる喫煙室ですが、喫煙専用室とは違って加熱式たばこ専用喫煙室内では飲食することができます。
ただし、紙巻きタバコの喫煙は許可されていません。

次に経過措置として定められている喫煙可能室というのは、既存している小規模飲食店のみが設置できる喫煙室です。
喫煙可能室を設置するためには、1.2020年4月1日より前に開業していること、2.資本金が5,000万円以下であること、3.客席面積が100m2以下の飲食店であることの3つの条件をクリアしていなければなりません。

喫煙可能室内では飲食もできるばかりではなく、店内を全て喫煙可能室にしてしまうこともできます。
もう一つの喫煙目的室では、室内での飲食も許可されています。